向井甘納豆 三代目当主の紹介から
甘納豆の製造工程をお話しする前に当店、
向井甘納豆三代目当主 向井誉志雄 を、紹介させていただきます。
物心ついた時から先代より甘納豆の仕込み方を叩き込まれ
先代から引き継いだ今でもその新しい感性で
新製品を生み出し続けています。
ニュース番組で取り上げられた神戸ワイン栗が有名です。
番組中でも紹介されています通り、大のワイン好きでして、
ワインに限らずお酒を飲みながら友人たちとのお付き合いが
毎日の日課でもあります。
実はこの三代目、消防団員だったりもします。
地域の方々との触れ合いを大事にされるお人柄なんですよ。
甘納豆の作り方 最初の工程
ではその製造工程を見てみましょう。
まずは乾燥している豆を水に漬けて水分を含ませ、甘納豆としての仕込みが出来る状態にします。
甘納豆作りの前段階ですね。
こうして水に漬けることにより、
乾燥していた豆が水を含んで大きく膨らみます。
この豆を水に漬ける時間がポイントで、その時間は短過ぎても長過ぎても、
向井甘納豆の目指す豆にはなりません。
時間だけではなく暑い季節や、寒い季節、それぞれ水の温度も違います。
すると、もともと乾燥している豆への水の浸透率が違うのです。
ですから水の温度管理や、それに対する水漬時間の管理が重要なんです。
大体一晩かけてまめに水を浸透させます。
甘納豆の作り方 二段階目
さて次はいよいよ程よく水分を含んだ豆を、煮る作業です。
前日に水に漬けて程よく水分を含み、柔らかくなった豆を、
創業時から使用している大きな釜で煮込みます。
ここがポイントで、(ポイントだらけですが)
煮込むときの微妙な火加減さじ加減で、完成したときの甘納豆の口当たりが
すごく変わってくるんです。
これは豆の種類や状態、季節などで煮る時間もさることながら手順などもことなってきます。
ココがいわば職人の長年の経験と勘が必要な部分ですね。
なかでもお多福豆は皮が厚く特に繊細で、細心の注意が必要なんです。
甘納豆の作り方 三段階目
そして、やわらかく煮上がった豆は次の工程である蜜漬けへと移ります。
つまりここであの甘納豆独特のあの甘味を付けていくわけですね。
まずは低めの糖度から煮込みはじめて、
一昼夜寝かして冷ますことで甘みを豆にしみこませてゆきます。
翌日、さらにもう少し強い糖度で煮込んでいき、もう一度一晩寝かせて、
糖度をあげていきます。
このようにして、豆の種類や仕上がり具合を見ながら数日間(2~4日程度)で、
向井甘納豆が求める甘さに仕上げるのです。
甘納豆の作り方 そして最終工程へ…
ここまで仕込んできた豆を、粗熱を取りつつ砂糖をかけていきます。
この時に並行して豆を乾燥させていくのですが、
乾燥させることによって豆同士がベタベタと引っ付いて食べにくい状態の物から、
豆同士がひっかずに、しっとりとした食感の甘納豆になります。
ちなみにこの工程も、季節や豆の種類、室温湿度などで、
砂糖のまぶし方を変えていきます。職人の技です。
こうしてまさに天塩をかけて仕上げた自分の子供のような甘納豆を、
大事に気持ちを込めて袋詰めしていきます。
向井甘納豆の完成です。